せきぞうやくしさんそんぞう(いしどうやくしさんそんぞう)
石造薬師三尊像(石堂薬師三尊像)

県指定 有形文化財 【指定年1965年】
分類/建造物(石造物)

解説

本石仏は、鎌倉時代後期の作で、県下では有数のものである。中央に薬師如来像(やくしにょらいぞう)、左に月光菩薩(げっこうぼさつ)、右に日光菩薩(にっこうぼさつ)が半肉彫(はんにくぼり)にされており、左脇に「嘉元二二年正月日 敬白」(「二二」は四の異体字、1306)、右脇に「東福寺 沙弥清佛 大和是永」と銘文が彫られている。一説によると、備後国豊松村(現広島県神石高原町)の東福寺に本仏が祀られていたが、江戸時代に東福寺が無住となり、備中国高瀬村(現神郷高瀬)の村人が譲り受けて現在地まで運んだと言われる。また地元の伝承によると、新畑谷から花崗岩を切り出し、投石原(とうせきばら)、仏橋(ほとけばし)、中渡(なかわたり)、堂ヶ原(どうがはら)、石橋を通って現在地に安置されたものと言われている。清佛は薬師三尊の開眼僧とされ、大和是永は石工で京都東福寺に所属していた人物とされる。当時神郷高瀬は良質の鉄が生産されていて、京都から名工を呼んで薬師三尊像が造られたと言われている。高さ139cm、幅226cm、厚さ15−30cm、重さ約1.6tである。

所有者:新見市
所在地:新見市神郷高瀬
公開状況:公開

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