｢あてつだい｣のうちひめさかかなちあな
「阿哲台」のうち秘坂鐘乳穴（日咩坂鐘乳穴）
県指定 記念物 【指定年1957年】
分類/天然記念物
解説
新見市・真庭市(まにわし)の一部にまたがる「阿哲台」は、標高400−500m、東西15−18㎞、南北12㎞の石灰岩台地（せっかいがんだいち）である。台地を南北に流れる高梁川によって西より石蟹郷台(いしがさとだい)･草間台（くさまだい）･豊永台（とよながだい）・唐松台（からまつだい）に区分される。台地上にはドリーネ・カレンフェルト等のカルスト地形が発達し、満奇洞（まきどう）・秘坂鐘乳穴（ひめさかかなちあな）（日咩坂鐘乳穴）・宇山洞（うやまどう）・井倉洞（いくらどう）・諏訪（すわ）の穴（真庭市下呰部(しもあざえ)）および阿哲台の形成状況を知ることができる縞嶽（しまだけ）をあわせて「阿哲台」として指定された。阿哲台を構成する地質は、大部分石灰岩からなるが、最下位は塩基性凝灰岩(えんきせいぎょうかいがん)･泥質岩(でいしつがん)等からなり、この上位に厚い石灰岩層（厚さ約1.1㎞）が整合に重なり、さらにこの上位に整合関係で砂岩・泥質岩および石灰岩レンズが重なる。本穴は、県下でも屈指の巨大な洞口と約1.6㎞の長さを誇る裂か型の吸い込み穴である。日咩坂鐘乳穴神社(ひめさかかなちあなじんじゃ)を通り抜け、深さ約100mの長さに近いドリーネの急坂を下りていくと、高さ15m・幅7mの巨大な洞口があり、奥行きは約1.6kmにも達する巨大なものである。最終地点は水深約32mの地下の巨大湖である。この鍾乳洞をご神体とした元県社(もとけんしゃ)日咩坂鐘乳穴神社は「延喜式」（えんぎしき）にも記された古社で、記録によると洞内から石鍾乳(せきしょうにゅう)という薬種(やくしゅ)を産出したとされる。 現在、入洞禁止をしている。
所有者：個人
所在地：新見市豊永赤馬
公開状況：非公開