おおたち くにしげ
大太刀 国重

市指定 有形文化財 【指定年1978年】
分類/工芸品

解説

本刀は、刃長109.1cm、反り6.06cm、造り込みは鎬造(しのぎづくり)で庵棟(いおりむね)、反(そ)りが高くつき、中切先延(なかきっさきの)びごころ、茎(なかご)を長くして手持ちを良くしている。鍛えは板目肌立(いためはだだ)ち、地沸(じにえ)つき所々荒めの沸(にえ)がこぼれ、淡く沸映(にえうつ)り立っている。刃文は、中直刃(なかすぐは)ほつれ小足入(こあしい)り、二重刃立(ふたえはだち)ち、部分的に荒沸交(あらにえま)じり、刃区上(はまちじょう)を大きく焼きおとして、水影(すいえい)が立っている。帽子(ぼうし)は、焼きふかく小丸にかえり、棟(むね)を焼き下げている。目釘孔(めくぎあな)1個、茎に「延寶(えんぽう)八年申八月吉日 山城大掾源國重造 國司御氏水谷左京佐藤原勝宗願成□□□」「備中國阿賀郡野々上村御氏神奉籠二位姫宮大明神并氏寺如意山千手院三尾寺宥宣」(1680)と銘文がある。この太刀は、僧宥宣が姫宮大明神(日咩坂鐘乳穴神社(ひめさかかなちあなじんじゃ))および三尾寺(みおじ)に参詣祈念し、その間に国重が斎戒沐浴(さいかいもくよく)のうえ作刀したもので、これを備中松山藩(びっちゅうまつやまはん)4代藩主の水谷勝宗(みずのやかつむね)が姫宮大明神に奉納したものである。
 平成30年度から令和元年度にかけて、日本美術刀剣保存協会岡山県支部主催の「奉納刀研磨プロジェクト」で研磨された。

所有者:日咩坂鐘乳穴神社
所在地:瀬戸内市長船町長船(備前長船刀剣博物館寄託)
公開状況:寄託先の展示状況による

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