みやざ
宮座

市指定 民俗文化財 【指定年1979年】
分類/無形民俗文化財

解説

中世新見荘時代、名主(みょうしゅ)が寄り集まって氏神を祀り、心のよりどころにし、団結と権威を示したのが宮座の興(おこ)りで、神郷高瀬の氷室神社と亀尾神社の宮座は中世の形そのままの儀式が行われている。各名域(みょういき)内に耕作田を持つ家は、その名の寄子(よりこ)として祭礼に奉仕していたが、現在は地区単位で祭礼に参加する。氷室神社の宮座は神様の接待役で、宮司と井上(いがみ)・長久(ながひさ)・下市場の3家が勤める。本座は横座とも言い、6人の名主の席で鈎形に座り、給仕人は寄子が勤める。
また千屋の倉嶋神社においても宮座が引き継がれており、毎年旧暦9月19日に輪番(りんばん)の当屋により神社の拝殿で行われている。宮座は宮株16人で構成され、谷宗名3人・瀬実名3人・代城名3人・森永名3人・稲倉名4人の5つの名(みょう)がそれぞれ決まった座につく。本殿と向かい合った本座が権力があるとされ、世襲の座頭(谷宗名)がその中央に座る。また、ナカ座には宮株以外の客人等が座る。儀式はまず座頭が「ミヤカタ・オザシキ・ナカ座の衆まで、ツユハライの御礼いたします。」と述べると、一同は「おめでとうございます。そのとおりでございます。」と答えて、酌取りのついだ神酒を3献飲む。以下、カキアイの御礼・サヤマメの御礼・ボウルイの御礼と続き、そのたび毎に神酒を飲み。さらに御飯の御礼があり、この間に新旧当屋の受け渡しを本殿前の幣殿(へいでん)で行う。そして、1杯3杯の御礼があり、最後に当渡しのあいさつをして御供(ごっくう)の餅を配って散会する。
なお、倉嶋神社の宮座は、昭和58年(1983)12月16日に、国の「記録作成等の措置を講すべき無形の民俗文化財」に「千屋代城(ちやだいじょう)のとうや行事」として選定され、昭和62年(1987)3月に報告書が作成された。

所有者:氷室神社
所在地:新見市神郷高瀬(氷室神社)
公開状況:行事にあわせて公開

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