なおたね
太刀 直胤
市指定 有形文化財 【指定年1991年】 分類/工芸品
解説
本刀は、千屋地域(ちやちいき)の鉄山師(てつざんし)であり千屋牛(ちやうし)を全国的に有名にした太田辰五郎(おおたたつごろう)(1790−1854)が、文政(ぶんせい)8年(1825)に幕末期を代表する刀匠(とうしょう)・荘司筑前大掾藤原直胤(しょうじちくぜんだいじょうふじわらのなおたね)に注文して打たせたものである。刃長は72.11cm、反り2.21cmで、造り込みは鎬造(しのぎづく)り、庵棟(いおりむね)である。鎬幅(しのぎはば)は狭く、腰反(こしそ)りつき先でうつむく。刃文は備前風の丁子乱(ちょうしみだ)れで、足よく入り、刃中よく沸え働き盛んである。帽子(ぼうし)は乱れこんで先尖り気味に浅く返る。茎(なかご)には目釘孔(めくぎあな)が1個あり、また「荘司筑前大椽大慶藤直胤(花押)」「文政八年仲秋應黄薇中国太田政恭需作之」(1825)と表裏に銘文(めいぶん)がある。
所有者:個人
所在地:新見市西方(新見美術館寄託)
公開状況:寄託先の展示状況による
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