ながまき なおたね
長巻 直胤
市指定 有形文化財 【指定年2009年】 分類/工芸品
解説
嘉永のはじめ(1848~1850)鉄山業で財をなした地元の豪農、太田辰五郎(おおたたつごろう)と進行を深め、作刀では西の大関と呼ばれた藤原直胤(ふじわらなおたね)により千屋の鉄で鍛えられた長巻。長巻の表に「荘司美濃 藤原直胤 花押 七十三翁」と彫り込みが有る。直胤は嘉永元年70歳より特に年齢を添えて彫ったものが多くあり、年齢を一種の誇りにした現れだと考えられる。直胤は嘉永元年に再び千屋を訪れ、太田辰五郎と旧友を温め合い、このときの作刀も何本かある。本刀は千屋来訪を記念し辰五郎の「百半」を祝って送った作品と考えられる。「百半」とは50歳のことで昔の呼び方である。当該長巻は大慶直胤の最後期の最後期に当たる作刀であり、太田辰五郎はこの4年後、直胤は7年後に歿している。この長巻は直胤の研究資料として大変貴重であり、重要な工芸文化財であるため。
所有者:千屋神社
所在地:新見市千屋実(千屋神社)
公開状況:非公開
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